歌手の園まりさんご逝去
歌手の園まりさんが、7月26日に80歳でお亡くなりになった、というニュースがネットでも紹介された。
園まりさんといえば、中尾ミエさん、伊東ゆかりさんとともに、3人娘のメンバーとして今のアイドル的存在だったが、そのことをリアルタイムで知っている人は、少なくとも私の年齢と同等か、年上だろう。
この3人娘で私がいちばん好きだったのは中尾ミエさんだった。
声にパンチがあり、「アイドルを探せ」「夢見るシャンソン人形」などの洋楽カバーを歌っていたせいだろう。
それに比べると、伊東ゆかりさんはもうちょっと歌謡曲寄りだった。
最後に残った園まりさんは、普通の歌謡曲を通り越して「ムード歌謡」という別ジャンルに属する歌手のように思えた。
いつもロングドレスを身にまとい、ささやくようなため息のような細い声で、大人の歌をお歌いになっていたからである。
子どものときに聞いた曲は忘れたくても忘れない
ざっくり昭和、と言っても私が子どもだった1960年代では、テレビは一家に一台が普通だったと思う。
だから大人も子どももみんな同じドラマを見、同じ曲を聴くのだ。
これは考えようによっては、ちょっと危険ではないか?
夜の街の女性に似合う歌を子どもに聴かせるなんて、今の常識からいえばショッキングすぎる。
おかげで私は、特別園まりさんのファンでもなかったのに、子どもの頃からさんざん聞かされた、というか耳にする機会が多かったせいだろう。
大ヒット曲の「逢いたくて逢いたくて」はもちろんピアノで弾けるし、歌詞だってきょうテストしてみたら、正答率80%以上なのだ。
わずかに「愛したひとはあなただけ わかっているのに」と「好きなのに好きなのに くちづけをしてほしかったの だけど」のあいだがでてこなかっただけである。
正解は「心の糸が結べない ふたりは恋人」だったが。
だけど今さら、こんなの覚えていてもしょうがない。
私の脳味噌のスペースは非常に限られているのだ。
昔の流行歌の歌詞を覚えているぐらいだったら、もっと大事なことにそのスペースを譲りたいのだ。
ああ、思うようにならへんなぁ。
カーメン・キャバレロが弾く「逢いたくて逢いたくて」
園まりさんのヒット曲を検索していると偶然、カーメン・キャバレロが弾く「逢いたくて逢いたくて」を見つけた。
カーメン・キャバレロとは、その昔、豪快なテクニックでクラシックからポップスまで何でも弾きこなし、一世を風靡したポピュラーピアニストだ。
彼の特徴がWikiでよく言い表せているので、↓に引用させていただく。
ピアノ・タッチは豪快で、処狭しと細かい装飾音もまじえたもので、「キャバレロ・タッチ」と称される。和音と装飾音のリズムは目の前が開けるように華麗な演奏で、「煌びやかなホテルのロビーにいるよう」とも評された。
そのキャバレロが弾く「逢いたくて逢いたくて」を聴いて見よう。
キャバレロのアレンジで聞くショパンノクターン2番
「逢いたくて逢いたくて」では基本的なコードしか出てこないせいか、キャバレロさんにしては地味な演奏に思える。
でも私には、左手でリズム打ちをせず、ユニゾンでボイシング(和音の選び方)を工夫してメロディーを弾く弾き方が勉強になるなぁと思った。
それでは最後に、キャバレロさんと言えばやっぱりこの曲、ショパンのノクターン2番をアレンジした「To love again」を聴いてから暑かったきょうも終わりとしよう。