「フォーエヴァー・ヤング 時を超えた告白」という映画
メル・ギブソン主演の「フォーエヴァー・ヤング 時を超えた告白」を観た。
観る前にあまり期待していなかった理由は、ざっくりしたあらすじをネットで読んだから。
「事故で昏睡状態に陥った恋人の回復が待てず、人工冬眠の実験台に志願したパイロット男性が目覚めてみると50年後だった・・・」という話らしい。
ははぁー さては50年後に回復した恋人と再会し、めでたし、めでたしというストーリーだな、これは。
なんかしょうもなさそう。
でも他に見るものないし、と思いながら見たのだけれど、結果として結構よかった。
ビリー・ホリディーの「The very thought of you」
よかった理由は、この映画のテーマとして使われていたビリー・ホリディーが歌う「The very thought of you」がとてもよく合っていたからだ。
そしてこれまでもこの曲は聴いたことがあり、そのときはさほど関心がなかったものの、ビリー・ホリディー盤で開眼したのだ。
どうしてだろう?
そしてこれまでさほどいいとも思えなかった彼女の、いわば枯れたような声が、例えようもなく味わい深いと思えてきたのだ。
尚、歌詞自体は
「あなたのことをずっと思い焦がれている。
日常のしなければならないこともすっかり忘れてしまって
まるで白昼夢を見ているよう
ばかげているとは思うけれど、私にはこれがすべて」
というまことにおめでたい歌詞なのだが。
この歌が作られたのは1934年。
ということは映画「フォーエヴァー・ヤング」の最初の舞台設定は1939年ということだから、当時の大流行歌ということになるのかな。
ところで私は映画でも音楽でもファッションでも、1930年代(昭和10年代)というのが大好きなのだ。
実際にその時代に生きていたら、そんな悠長なことはいっていられない国際情勢だったのだろうというのは想像がつくのだけれど。
映画「陽のあたる教室」で開眼した「Someone to watch over me」
よし、来年はぜったい「The very thought of you」(邦題:君を想いて)を弾こう。
でもその前に、「二人でお茶を」と「Someone to watch over me」をやることが決まっている。
そして「Someone to watch over me」もこれまた、映画の挿入歌として使われているのがとても気に入ったからだ。
その映画とは私が2024年に見たベスト映画で、「陽のあたる教室」。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
この映画をみるまで、「Someone to watch over me」はジャズヴォーカルの大御所、エラ・フィツジェラルドの名盤として記憶に残っていた。
でも特別好きだったわけではない。
でも映画「陽のあたる教室」で若い女優さんがこの曲を歌っているのを聞いて、彼女にぴったり、その初々しさに心を打たれたのだ!
そう、そこなんだよね!
歌の実力から言えば、この女優さんとエラとは比べようもない。
でもこの歌に限って、私はエラよりもこの女優さんのを聴きたいと思う。
なぜか?
ひょっとして、歌詞にある「私は森で迷える子羊」のところが、エラのように立派な体格のひとには似合わず、か細い女性のほうがぴったりくるから?かもしれない。
でも音楽はケースバイケースで、かならずしもうまい・下手が問題ではないよ、といういい例ではないだろうか。
つまり私はピアノでもこれを狙っているのだな。
ではもう1回、初々しい歌声のほうを貼っておこう。