ピアノが主か、歌が主か
私がジャズ弾き語りを目指すことを宣言してから、きょうでジャズ師とのレッスンは3回目。
曲目は相も変わらず、「Like someone in Love」である。
ジャズ師はピアノの他、ギターは弾くが歌は歌えないらしい(ときおり口ずさむが、歌う人の声ではない)。
なので弾き語りでのアドバイスは、弾き語りのときのピアノの弾き方についてになる。
つまり、
などなど。
しかし世の中のたいていの弾き語りのひとは、ピアノより歌のほうがうまいのではないだろうか?
しかし私の場合、まだピアノのほうがましだと思う。
何もピアノがうまいとは言っていないよ。
ただ単に、歌がへたすぎるのだ。
新曲はヘンリー・マンシーニの「Slow Hot Wind」
しかし弾き語りをはじめたせいで、ホッとすることができた。
それは年4回開かれるアンサンブル練習会で、私は「初見歌伴」を免除されることになったのだ。
「初見歌伴」とは、文字通りボーカルさん持参の楽譜を「初見」でみながらボーカルさんの伴奏をすることである。
私は「誰かの伴奏をするより、自分で歌いたいから」と申し立て、ジャズ師も
「それもそうやな。ほな、あんたはインスト2曲と弾き語り1曲と・・・
そしたらもう1曲のインストは何にする?」
ということで急遽、新曲をやることになった。
あと1か月もないのに!
そして師が指定した曲は「Slow Hot Wind」。
題名を聞いただけで暑くて悶絶しそうな曲である。
作曲者は数々のスタンダード、映画音楽を手がけたヘンリー・マンシーニ。
彼の曲ではもちろん知っているのが、「ムーンリバー」「酒とバラの日々」「ピンクパンサー」「ひまわりのテーマ」「シャレード」・・・となるが、「スローホットウィンド」なんて知らなかった。
ヘンリー・マンシーニの「Slow Hot Wind」
ヘンリー・マンシーニのオリジナル版をきいてみた。
まずイントロがすごく変わっている。
ポンポコポコポコというような音がするパーカッションだが、これはルージョンという、もともとはアフリカの民族楽器らしい。
ついでストリングスが奏でる音。
最初の音から次の音へ完全5度上昇しているが、これが題名どおり、熱い風、熱風がブワァーっとふきだしてきそうな気がしないか?
かつ何か不思議なことがおこりそうなミステリアスな雰囲気もある。
セルジオ・メンデスによる「Slow Hot Wind」
調べてみると、カヴァーもいろいろあった。
私が知らなかっただけで。
あのセルジオ・メンデスも録音しているのだ。
こちらもぞくぞくするような、真夏の夜の秘密体験みたいな感じである。
「Slow Hot Wind」のリードシート
問題はこれをどうやってピアノで弾くかだ。
一応、師が模範演技を見せてくれた。
じーっと見ていたら最初の8小節はほとんど白鍵しか使っていない。
これも理論に強い人だったら、〇〇スケールを使っているのだろうとすぐわかるのだろう。
サビはたぶんEbに転調1回、そのあとDbに転調、でいいのかな?
そしてこの曲も師いわく、「モーダルな感じ」で主音で終わっていないのだ。
いわゆる浮遊感たっぷりという感じである。
これ、本当に私に弾けるのか?
あと1か月で?
*1:主旋律を引き立たせるための伴奏パート