イントロのアイデアで苦労した「レインチェック」
ジャズ発表会の反省会2曲目の「レインチェック」。
この曲は最初、ゆったりとしたスィングで弾いていたのだが、どうにも間が抜けたみたいで決まらないので、先生に了解を得て速めのスィングに変えることにした。
ところがどっこい、こんどはイントロがあわない。
速いテンポにあわせたイントロのアイデアとして、先生から「キンコンカンコン」のイントロをすすめられたときのことを書いたのが以下の記事である。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
この「キンコンカンコン」を見よう見まねで弾いてみたところ、先生からは、
「本番では急に魔がさして、テンポがあがらんうちに終わってしまうゆうのが、一番怖いな」
と言われた。
魔がさす?
「魔がさしたためにこんなことをやってしもたんか、ああしょうがないやっちゃ!」
という例は悪事に使われるものとばっかり思っていたが、でたとこ勝負のジャズの演奏でも使われるのか?
頼むから「魔」よ、私によってこないでね!
パクリというよりパロディーといいたいイントロ
「魔」がささないように願うだけだったら、あんまり効果はないと思うので、私はあらたなイントロを一生懸命考えた。
そしてふと、クリスマス・イブの日に弾くのだから、クリスマスソングでええやん!と思いついた。
そこで白羽の矢を立てたのが、「Santa Claus is coming to the town」(サンタが街にやってくる)の冒頭のメロディーである。
これをそっくりそのまま、イントロとして使わせていただくことにした。
パクったともいえようが、上品に言えばパロディーですわ。
【演奏動画】レインチェック(Raincheck)
さて本番。
私がこのパロディーイントロを弾きだすと、ベース氏が「ぎょっ」としたのを気配で感じ取った。
彼は私がとち狂って、そのまま「サンタが町へ」と弾くものだと思ったのだろう。
でも大丈夫だった。
実をいうと私自身も、このまま「サンタが町へやってくる」になってしまいそうな不安がなきにしもあらず、だったんだけどね。
レインチェックは循環コードでウキウキ感
この「Raincheck」の語源については以下の記事にも書いた。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
アメリカでは、野球などの屋外スポーツで、雨天順延になったときに発行されるチケットがレインチェックの語源だが、調べてみると、だいたい大リーグにはドーム球場は少ないみたいだ。
その理由はよくわからないが、大谷翔平がプレイするドジャースの球場も、カリフォルニアの温暖な気候のため雨天中止が非常に少ないそうだ。
うーん。
私はこの「レインチェック」が作られた背景を知りたくて、ネットでいろいろ探したのだが、作者のビリー・ストレイホーンが第二次世界大戦中にカリフォルニアで作った曲という逸話以外には何も見つけられていない。
「雨天引換券=レインチェックがあるから、またゲームを見に行こうね!」というウキウキした気分をあらわしたもの、と思いたいのだがちがうのかなぁ。
ちなみに、ウチの夫ちゃんはハトが大好きで、私がこの曲を弾くと、「ハトがポッポポッポといっているみたい」と結構ご機嫌だった。
ジャズが好きでない人でも、ウキウキの気分にさせてくれる魔力がこの曲にはあるのかもしれない。
コードは以下のように1➡6➡2➡5という循環コードで、これをはじめるともう、とまらない。
発見者は大したものだと思う。