バーナムピアノテクニック2の基礎練習
今のクラシックピアノの先生にお世話になるようになってから、レッスンはまずバーナムピアノテクニック2を使った基礎練習から始まる。
面白いかって? 面白くないよ、全然。
でも先生に言わせるとこのバーナムのおかげで、私のピアノ技術はずいぶん「底上げ」(先生による表現ママ)されたそうである。
そうかなぁ。
そう言われるのは嬉しいが、本人はまったく底上げされた自覚はない。
だって実際、きょうも、↓の16分音符の練習を♩=130ぐらいで弾いていると、
「あ、(右手と左手が)ずれていますよ!」
と言われた。
もちろん私はまったく気づいていない。
「ずれたらそのまま弾き続けないでください。
そしてもっとテンポを落として、自分の弾いている音をよく聴いてください」
そこで私は「耳をダンボにして」(最近聞かない古い表現!)♩=100ぐらいで弾きなおした。
すると先生は、
「そうです! 今、全身を耳にして弾きましたね!
いつもそうでないといけません。
汚い音のままやり過ごすと、その音に耳が慣れてしまいます」
要は、ずれたり間違った音を弾いてしまうようであれば、必ず立ち止まってテンポを落として練習しないといけないと諭されてしまったのである。
ゆっくり弾くのが不得意な理由
このゆっくり弾く、という練習方法は、世間でも効果的な練習方法として知れ渡っているようだが、どうも私は不得意だ。
第一に、性格的な問題があって、何でもがゆっくり丁寧、というのが性にあわないみたいである。
ちなみにしゃべるのも早口らしい。
ときには相手がしゃべり終わらないうちに、もう口を開こうとして、
「あ、ごめんなさい!」
ということになったりする。
それがピアノにも反映されているのかどうか知らないが、とにかく速く弾こうとする。
そして多少ミスタッチがあっても止まる、ということはしない。
平然、というかシラーッとしている。
こういう性格は本番にはいいかもしれないが、練習では雑になって良くない。
わかっちゃいるけど、やめられない・・・というところか。
歩くスピードを音符に例えると?
また先生が言っていたのだが、人間の歩くスピードは4分音符の速さに似ているそうだ。
ちなみにアンダンテが歩く速さで、と訳されているぐらいだから、63-76 ぐらいか?
これ、ちょっと遅くない?
こんなので歩いてたらバスに乗り遅れてしまう!
そして8分音符は駆け足のスピード。
そしたら16分音符はどうなるんだろう?
先生も
「オリンピック選手の100メートル走ぐらいかしら?」
と笑っていたので、これはちょっとよくわからない。
「ゆっくり・丁寧・辛抱・がまん」のスローガン
家へ帰ってからスマホのメトロノームを鳴らしながら、家のなかを歩いてみた。
すると♩=100ぐらいが、歩いていていちばん心地よいなぁ、と感じた。
だから私は今、先生には内緒で練習しているバッハ パルティータ2番カプリッチョも、これぐらいのテンポで弾きたいのだ、できれば。
それが至難の業である。
だって4分音符が主体の譜面なら、そんなに苦労しなくてもすむかもしれないが、バッハのは16分音符がぞろぞろで、それもあっちの指で押さえておいて、こっちの指で速攻で弾くとか、難所ぞろいなのだ。
こういうのこそ、速弾きはもっともっと先の目標で、まずはゆっくりを繰り返し練習すべきなんだろうなぁ。
そんなことをしていると日が暮れるどころか、人生が終わってしまいそうな気がするけど。
「ゆっくり・丁寧・辛抱・がまん」のスローガンをピアノの上に貼っておこうか。