イントロを思いつかずパクリに走る
ジャズピアノにおいて、イントロとエンディングをどうするか?
もうこれは永遠の課題になりそうである。
特にイントロかな?
どうアタマを絞っても、いいアイデアというか、曲想にあった「さあ、さあ、これから始まるよ!」感が出せるイントロは思い浮かばない。
そこでどうする?
こういう場合、もうパクリしかない。
つまり世の中に溢れている曲の一部を、できればそれとはわからないように拝借することだ。
それで私が今回目をつけたのは、「The old folks」のテーマにミッシェル・ポルナレフの「Love me , please love me」のアタマ8小節をイントロとしてくっつけることだった。
ミッシェル・ポルナレフの若き日のライブ
ミッシェル・ポルナレフは80歳になった今も、国内ツアーを敢行するなど精力的に活動しているらしい。
そしてそのハイトーンの声も、少なくとも私の耳にはまったく変わっていないように思う。
私はかってにフランスの小田和正さんと思っているが。
でもその現在の容姿は・・・
ごめんなさい、ハッキリ言って私の好みではない。
だから映像をみずに声だけを聴くのが私にとってベストなのだ。
ではとりあえず、「Love me , please love me」を。
↓の動画は1967年のライブらしい。
観客からの拍手に歌いながら、メルシーと答えているポルナレフ、意外に可愛いとこあるやん、と思わせられる。
ポルナレフを「The old folks」のイントロに使った結果
私が思いついたのは、冒頭の
Love me, please love me
Je suis fou de vous
Pourquoi vous moquez-vous chaque jour
De mon pauvre amour ?
がそのまま「The old folks」のイントロとして使えるやん、ということだった。
だって「The old folks」の最後4小節のコード進行がほとんど同じだからである。
ちなみに「The old folks」のリードシートは↓のとおり。
ところがそのミッシェル・ポルナレフとジャズスタンダードのハイブリッドは、師からあっけなく却下された。
つまり、
「イントロだけがカッコよすぎて、なんか別の曲がはじまるみたい。
もっと素直にあっさりとしたイントロのほうがええ」
というのだ。
たぶん、フレンチポップスに興味をお持ちでない師は、ポルナレフのことをご存じないかと思ったので、私はただ、
「知ってる曲をコピーしたんですけど、あきませんか?」
といったのだが、
「あんまり濃いメロディーはイントロにあわへんなぁ」
とのこと。
ガックリ。
つまり名曲をイントロに使って成功するか?というと否定的なほうが大きいみたいなのだ。
今のポルナレフによる「フランスへの手紙」(Lettre à France)
最後にポルナレフの近影を。
曲は「フランスへの手紙」といって、彼がアメリカ亡命中にフランス恋しさ、つまりホームシックに襲われて書いたと言われているものだが、演奏自体は2年前のようである。
ということは80歳近くになってもこの声、このピアノ。
ああ、見習わなくては!