テンポルバートを誤解していた
そもそも「テンポルバート」ってどういう意味なんだろう?
今さらながら、先日のクラシックピアノレッスンではアタマを抱え込んでしまった。
ドビュッシーの月の光の2ページ目に、テンポルバートがあるのだが、先生から完全なダメ出しをくらったからである。
ネットでみると、
テンポ・ルバート(Tempo Rubato)は、クラシック音楽などで使われる演奏記号で、イタリア語で「自由な速さで」という意味です。
テンポ・ルバートでは、楽曲の基本的なテンポは崩さずに、個々の音符の長さを変化させて演奏します。テンポを揺らして演奏する際にも用いられます。
とある。
ま、これAIによる解答らしいけどね。
そうかぁ、やっぱり「楽曲の基本的なテンポは崩さずに」とある。
ここが肝心なのかもしれない。
まずメトロノームで練習を
月の光での問題の箇所は下の通り。
なぜだかわからないが、私は2小節目の付点四分音符のところをまるでフェルマータがあるかのように弾いていた。
4小節目の付点四分音符のところもそうである。
ゆっくりここで伸ばして(和音の余韻に浸りながら?)、次の6連符のところは幾分興奮気味に・・・とかね。
ところが、まず楽譜どおりの音の長さで弾けるようでないとダメだそうだ。
よく見れば2連符がここにはたくさんある。
それも他の8分音符との長さの違いをださなければならない。
これらの違いを明確にだせるようになってから、だんだんテンポをあげたり、animé(生き生きと)にしなければならないそうである。
四苦八苦する私に先生は告げた。
「もう、これはメトロノームですね。♩=45ぐらいで、練習してきてください」
あぁ! こんなゆっくりした曲でメトロノームを使うようになるとは思わなかったよ!。
ドビュッシーもピアノロールに演奏を残した
ところでドビュッシーはすぐれたピアニストでもあったそうだが、自分の演奏をピアノロールに残している。
このピアノロールという機械の仕組みについては、私は自分のことばではまったく説明できないため、Wikiの説明をそのまま下記に引用させていただく。
空気圧をかけ、穿孔部を通してハンマー等を動作させる仕組み。19世紀末からつくられ、専用の機械を用いればピアノ演奏をある程度正確に記録することができたため、SPレコード普及前の一時期、家庭用の音楽再生手段として広く使われ、ロールは現在のレコードと同様に商業販売された。20世紀初頭の作曲家自らが演奏した(とされる)ピアノロールなどがいくつか残っている。
ドビュッシーも「月の光」の録音をピアノロールに残しているが、私は彼の演奏を聞いてほんとうに驚いた。
楽譜とちゃうやん!
2連符とか6連符とか、めっちゃいい加減やん!
こんないい加減でええんやったら、なにも楽譜にごちゃごちゃ書かんでもええやん!
いい加減というのは言い過ぎで、天才作曲家に対して大変失礼かもしれないが、「ソラドシソー ソソソソラソー」のところなど、「ソーラドーシソー ソーソソソラソー」のように、まるで付点がはいっているように弾いているよ!
ウソだとお思いだったら、一度お聞きくださいませ。
人間ドビュッシーの演奏でいいと思う
ところでドビュッシーが自分の作品を自筆の楽譜どおりに弾かなかったのは、月の光だけではないらしく、他にもあるらしい。
この「弾いたもの」と「書いたもの」の違いについて、ピアニストで文筆家の青柳いずみこ氏が大変面白い記事を書いておられる。
なぜ、ドビュッシーは自筆の楽譜通りに弾かなかったのか?
あるいは弾けなかったのか?
それとも弾こうとしたが、弾いているうちに違ってきてしまったのか?
答えはご本人にしかわからないだろうが、でも人間らしくっていいよね。
どうも私は生成AIやらチャットGPTやら、えーとなんだっけ、最近のディープシーク?とかにうんざりしているようなのだ。