内田光子氏、グラミー賞にノミネートされる
アメリカの第65回グラミー賞候補が発表され、ピアニストの内田光子氏の「ベートーヴェン・ディアベッリ変奏曲」が最優秀クラシカル・インストゥルメンタル・ソロ賞にノミネートされた、というニュースをネットで読んだ。
ベートーヴェンは知ってるよ!もちろん。でも「ディアベッリ変奏曲」って何なん?
もうすぐ66歳になろうかというのに、それに趣味のひとつがクラシックピアノです、と公表しているにもかかわらず、「ディアベッリ変奏曲」が初耳ですって恥ずかしくないか?!これもネット上だから言える無恥宣言だろう。
慌てて調べてみると、こちらは聴くのも難曲らしい。下の記事が大変参考になった。
あまりの凄さにビックリし、難易度を調べかけて止めた。
まず、私に最後まで聴けるかどうかが問題らしいから。
日本のメディアには登場数が少ない内田光子氏
内田光子氏と言えば、世界的なピアニストであるが、意外と日本のメディアには登場してこないかたのように思う。
1970年のショパンコンクールでは2位に入賞しておられるのに、それもあんまり取り上げられていないのでは?
それもこれもずっとヨーロッパに住んでおられて、イギリスを拠点にされているから?それにひと昔前までは、モーツァルトばかりを演奏されているような印象さえあった。ショパンコンクール入賞者なのに、それほどショパンは弾いていない気もする。
これらの疑問をもったまま、以下の英語インタビュー動画をさらっと見たのだが(短いので)、いっぺんに内田光子氏に好感を持ってしまった。
内田光子氏、英語インタビューで「ディアベッリ変奏曲」を語る
内田光子氏は1948年12月20日生まれでいらっしゃるから、もうすぐ74歳になられる。
普通74歳というと、やれ腰が痛いだの膝が痛いだの、不定愁訴のオンパレードだと思うが、内田光子氏の声にはハリがあり、熱意と説得力がある。
英語では「in my humble opinion...」となっているが、あえて訳せば、「音楽のすべてを知っているわけではないので、僭越ではございますが」という感じかな?
なんか謙虚さを感じていいなぁと思うのだ。
そしてベートーヴェンの「ディアベッリ変奏曲」のことを、「so complex, so intese (ホンマ複雑で、中身がぎゅっとつまってて)」と形容して作品への敬意と愛情が感じられるのだ。
そして、この音楽を皆に聴いてほしいか、というと、Yes でありNo でありYes だと答えておられる。
この Yes → No → Yesの変遷って何だろう?
「聴いては欲しいねんけど、みんなわからへんやろうし、でもやっぱり聴いてほしいし・・・」
と世の評価を気にして逡巡しておられるのだろうか?
「ディアベッリ変奏曲」チラ聞き感想
さて、以下の動画をチラ聞きしてみた。
ウーン、やっぱりベートーヴェンらしく固く、重く、どっしり、ずっしりといった感じだ。私にこの良さがわかる日が来るのか?その日までまだ生きることになるのか?