夢でささやくピアノ

ジャズピアノとクラシックピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

すきっ歯はなぜフランスでは「幸福の歯」と呼ばれるのか?

すきっ歯の有名人は誰?

先日、フランスの歌手、ファッションリーダーであるジェーン・バーキンについて書いたが、彼女は、というべきか彼女も、フランス人の有名人によくある、前歯がすきっ歯のかたである。その程度はそれほどひどいものではないけれど。

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彼女のほか、すきっ歯の有名人として古いところでは、ブリジット・バルドーシルヴィ・ヴァルタン、比較的新しいところではヴァネッサ・パラディといったところであろう。

(左)ブリジット・バルドー(右)シルヴィ・ヴァルタン
(左)ジェーン・バーキン(右)ヴァネッサ・パラディ

すきっ歯は可愛い?魅力的?セクシー?

このすきっ歯が可愛いとか、魅力的、セクシーだという意見があるが、ちょっと私は素直に賛同できない。矯正するには多分、費用がずいぶんかかりそうだし、時間がかかるかもしれないので、それほどひどくない場合、将来何か問題が起きないのであれば、放置しておいてもよいと思う。

けれどもヴァネッサ・パラディぐらいのすきっ歯で(結構空いていると思う)、彼女くらいおカネがあって、売れているから治療期間、働かなくても大丈夫そうだし、それなのになぜ矯正しないんだろう、と前々から不思議だった。

ところが、このすきっ歯を les dents du boheur(幸福の歯)と呼ぶ国がある。夫の出身国、フランスである。そこで結構最近の話なのだが、夫に「ヴァネッサ・パラディって絶対、歯を直したほうがいいよね!」と言うと、「全然そのままでOK!」と言うので、びっくりした。私の生え際白髪は許せないくせにどうして??

「幸福の歯」の語源はどこから来たのか?

一説によると語源の発祥はナポレオン時代の戦場から。

当時の銃の弾薬は紙包みで、歯で切り取る必要があったが、歯並びのよい歯でないと嚙み切りにくく、歯に隙間がある者は、幸運にも戦闘員として徴兵されなかったため、兵役を逃れることができたという。

下の動画では兵隊サンが勢いよく、紙を噛みきってくれます。

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昔、日本では八重歯が人気だった

その昔、といっても私が子どもの頃だが、八重歯はチャーミングなものとして人気があったと思う。小柳ルミ子さんが「瀬戸の花嫁」を歌っていた頃はまだ、八重歯を矯正していなかったのではないか?だって、あの八重歯が可愛いとよく聞いたもの。

ところがいつからか、八重歯は欧米ではドラキュラを連想させるものらしい、と言われてから、八重歯は日本でも市民権を失ってしまったように思う。今、八重歯の芸能人っていますか? 最近のことはよく知らないんだけれど。

人間、誰しも欠点のない完璧な美よりも、ちょっとどこかずっこけたところがあるとそれに魅力を感じるというのはわかる。しかし、八重歯を可愛いと思う伝統が日本にはあっても、すきっ歯を可愛いとか、魅力的とか、セクシーとかいう美的感覚はなかったと思うのだ。

それがフランスでは「幸福の歯」と呼ばれているから、これはいい、というのはちょっとねぇーーー。欧米で良しとされているものなら、なんでも良しと言っているように聞こえて、なんとなくすっきりしないのだ。