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クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、66歳ゆめこの迷走記録

マクロン大統領の綴り字間違いにフランス国民は激怒、学習者は大混乱?

永遠のフランス語学習者には気になるトピック

私は永遠のピアノ練習者であるとともに、永遠のフランス語学習者なので、先日のマクロン大統領のツィートでの綴り字間違いに非常に興味をもった。よってこの記事は音楽に関係がなく、フランスおよびフランス語に興味をもたれない方には申し訳ないのだけれど。

フランスが惜敗したワールドカップの翌日、「マクロンがツィートですごい間違いをしたので、フランスのネットで騒ぎになっているよ!」と夫が言った。そして「どこが間違えているか、わかる?」と続けたので、一瞬身構えた。なぜかというと、夫は語学の天才で、たぶん私のことを、「何十年もフランス語を習っていて、なんであのレベルなんだろう?」と思っているからだ。

マクロン大統領のツィート間違い

問題の箇所は、マクロン大統領が惜しくもアルゼンチンの前に力尽きたフランスのワールドカップ勝戦に言及し、自国の選手たちの活躍を讃える意味でのツィートで、以下その引用となる。

"Les Bleus nous on fait rêver"

フランスの選手たちは我々に夢を見せてくれた(レ・ブルーはユニフォームの色にちなんだサッカーのフランス代表選手を指す)

しかし、マクロン大統領が書くべきだったのは、

 "Les Bleus nous ont fait rêver"

だったのだ。ちなみに間違いのあったツィートはすぐさま削除されたようだ。

フランス国民はこの間違いに黙っていない

最初のツィートのどこが間違えているか? フランス語を知らない人でも正誤を見比べれば、誤のほうは t が抜けていることがわかる。もしマクロン大統領が手書きで書けば  t を抜かすことはなかっただろう。なぜならここは、faire という動詞の複合過去形だから主語の Les blues に対応して ont fait となるのが当然だからだ。

しかし、フランス語の初級学習者には少々紛らわしい。なぜなら on は英語でいうwe にもあたり、「人々は夢を見させる、見せてくれる」と解釈してしまう可能性がある。

そう解釈すると、この一文に les bleus と on という主語がふたつ存在することになる。

主語2つはないでしょう?そしてnous の役割はどうなるのか?と疑問は続く。そしてまさかマクロン大統領のような超エリートが間違うはずがない、とも思い、学習者は混乱に陥るのだ。

一方、あまり人気があるとは言えないマクロン大統領のこの間違いにフランス国民は当然黙ってはいなかったようだ。「とんでもない間違い」「アルゼンチンに負けるわ、マクロンは文法の間違いをするわ、恥の極致」と容赦がない。私には単なる t を打ち損ねたミスタイプに思えるのだが。

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マクロン大統領は目立つのがお好き?

これほどマクロン大統領が批判されるのは、政治的なことは別にしても、ワールドカップ大会であまりに目立ちすぎたことも要因のひとつではないだろうか?アルゼンチンに負けて呆然自失のエムバペを熱くハグしたり、試合後に選手を激励する演説までしたことは「監督でも、サッカーの関係者でもないのに」と批判するフランス人は多い。

一方、私が「なんだかなぁ~」と思ったのは、表彰式でのマクロン大統領が誰よりも、つまりFIFA会長やアルゼンチンの関係者よりずっと目立っていたことだった。だって「準」優勝なんでしょ?それもサッカー関係者じゃないんでしょ?アルゼンチンの関係者より先にメッシを出迎えるの?優勝したのはアルゼンチンなんでしょ?と違和感をもった人は少数派?ああ、日本風に立場をわきまえていたら、大国の国家元首は務まらないのだろうけど。