夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

レッスン時間で悩んでいたらこうなった

私が今のピアノ教室に入会したのは昨年2月のことである。

その7か月前に首都圏で、ほぼ50年ぶりにクラシックピアノを再開し、そのときお世話になった先生はとてもいい先生だったが、引っ越しとあらばしかたがない。

オンラインレッスンという手もあったかもしれないが、機械オンチの私にその選択肢はなかった。

 

さて、引っ越し先は生まれ育った阪神間であったが、なにしろ26年ぶりの帰郷である。

町は阪神大震災以降、ずいぶん変わっていたし、ピアノに詳しい知り合いも、もういない。

教室を選ぶにあたって活用したのはもちろん、ネットである。

家から通えそうなピアノ教室を何軒かリストアップし、片っ端から体験レッスンを受けるつもりだった。

ところが、体験レッスン1件目にして、すぐにそこに決めてしまった。

先生がとても優しく、知的で、私の年齢についてもお尋ねにならなかったのである。(多分、今でもご存じないと思う)

レッスン時間については30分と1時間の2択であったが、「趣味の大人のピアノ」ゆえ、ほとんど迷わず30分を選んだ。

ところが、レッスンをはじめてみると、30分って思ったより短い。

曲はバッハと、ツェルニーとかの練習曲以外の自由曲の2曲をみてもらうのだが、時間の都合上、あとの1曲は半分もいかないうちに終了時間になってしまうこともある。

先生は解説も非常にわかりやすく、論理的で目からうろこのことが多いのだが、お話を聞いているあいだ、また先生が弾かれているあいだ、私は弾かないから結局通しで弾くのは最初の1回だけである。

なのに、最初の1回で、私はてんこもりのミスタッチをする。

ふだん、家でもやらかさないようなミスもするが、もはや挽回の余地はない。

「これはレッスン時間を1時間にするほかはないなぁ。 でも月謝が2倍になるしなぁ。

 年金生活者がこんなんにお金つかってええのん?」

と、思い始めて、駅前ビルをぶらぶらしていたときのこと、ライブハウスでよく活躍されているピアニスト氏が月に2回、この町でジャズピアノを教えている、というちらしを読んだのである。

ちなみにこの時まで、ジャズピアノを再開する気はまったくなかった。

過去、数年かかってもアドリブが弾けず、コピーに頼っていた私である。私にはジャズに必要なスィング感もオリジナリティーもゼロだと思い込んでいた。

ところが、このちらしを見ていたとき、ジャズの神様がささやいたのである。

「あんたなぁ、ジャズ好きやんか。 もう一回やってみてもええんちゃう?

 あかん、ゆうひとはおらんのやろ?」

それでその足で、私はジャズピアノの体験レッスンを申し込みにいった。

結局、クラシックピアノを1時間にするよりもおカネがかかることはすっかり忘れて・・・

なんのことはない、レッスン時間で悩んでいたからジャズも再開するようになっただけのことである。

ブログのサブタイトルで「クラシックピアノとジャズピアノの両立をめざす」なんて大見得を切っているが、誇大広告もたいがいにせい、である。