前回記事をごらんになってない方はこちらをごらんください。
kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com
思うように弾けなかった電子オルガン
テクニトーンをいう電子オルガンを買って、レッスンを受け、指導者となるためにグレードテストを受けることになった。
子どものときにピアノを習っていたから、弾くことは至極簡単だろうと想像していたが、これがそうでもなかった。
なぜなら、
- 左足が思うように動かない
- 鍵盤がピアノに比べて軽すぎる
- 効果音のようなボタンがどこにあるか覚えてないといけない。
からであった。おまけに最初から、あの電子音が好きになれなかった。でも、目的は「講師」という箔をつけるためなのだ。がまんがまん。
週1回のテクニトーン講師稼業
「講師」と名乗るための最低限グレードを取得し、やっと会社から仕事を紹介してもらった。ある個人宅で子どもの生徒さん3~4人を集めているので、そこに週1回、教えに行ってほしいとのこと。レッスンの教え方等について会社から研修を受けたか?私の記憶では特になかったような気がするが、なんともいえない。しかし、教材は会社が決めたものがあったものの、どういう教え方をしてよいものやら、本当に困った。
さらにその個人宅では、テクニトーンを置いている部屋には冷暖房がなかった。2階だったので、西日が照り付ける部屋で3-4時間いるのは辛かった。まぁ、いい思い出は少ない。
グレードテストのために新機種に買い替えられるか?
週に1回のレッスンでは、自分が習うほうの月謝代を差し引くと、プラスにならなかったので、もっと生徒さんを紹介してもらうために、さらに上のグレードをとらなければならなかった。
そのグレードテストで使われるテクニトーンは、最新式のモデルであり、種々のボタン、スィッチの位置が家のテクニトーンと全然、違ったのである!
機械オンチの私には、これは壊滅的な打撃だった。たとえば例えば、サビのところで「ハープシコード」の音で弾くことになっていたら、「ハープシコード」のボタンを探すのに、おろおろする始末。さらなるグレードテストに受かるためには、新機種を買わないと無理だろう。
でもこれ以上、両親に迷惑をかけるわけにいかない。とてもこんなことは続けられない・・・悶々とした挙句、まともな一般企業に正社員として採用されることもなかった
私は、テクニトーン講師をあきらめ、ジャズピアノのA先生が紹介してくれる、ピアノラウンジ、レストラン、バーでのポピュラーピアノの仕事に、方向転換することになっていった。
電子オルガンの現在
新機種を買わされる商法が、電子オルガンブームの衰退につながったのかどうかは本当のところはわからない。が、事実として、2001年に松下は楽器産業から撤退、テクニトーンは販売終了となってしまった。
一方、ヤマハのエレクトーンは現在でも販売されてはいるが、ピアノに比べると影が薄い。ヤマハ神戸店では、フロアのすみっこに2-3台が置かれているだけである。ブームというのはいつかは去るものだ。去ったあとは悲しい。だから、ピアノはブームとは関係ない存在であってほしい。大丈夫だよね。もう何百年と続いてきたのだから。
「昔むかし、ピアノというものを弾くおばばがおりましてな」なんて聞きたくない。