ヴィキングル・オラフソンに度肝を抜かれたきっかけ
ヴィキングル・オラフソンを知ったのは、私がまだインヴェンション12番をレッスンで見てもらっていたときのことだから、まだこのブログを始める前のことだ。
初めての曲をレッスンで取り組む前、私はありとあらゆる音源を主にYouTubeで聴きまくる。
ほとんどすべてのプロピアニストのインヴェンション12番を聞いたあと、
「こりゃ、一生かかっても真似できん」と思ったのが、ヴィキングル・オラフソンだった。
(何もほかのピアノストだったら真似できる、ゆうてるのやないですよ。これはことばのあやですからね、ここ、突っ込まんといてください)
尚、彼の天才ぶりは私がここで書くより、以下の記事を参照されたい。
↓ オラフソンのバッハ/インヴェンション12番
グランドピアノとアップライトピアノの両方で録音
先月、彼の「From Afar」というグラモフォンからの新アルバムが発表されたが、そのなかで彼はグランドピアノとアップライトピアノの両方で録音している。
彼は子供の頃、ピアノ教師である母や作曲家である父がグランドピアノを使っているとき、自分の寝室にあったアップライトピアノで練習をしていたそうである。
そのピアノは古いけれど、とても温かみのある音色で、「今回の録音には、誰かに秘密をささやくような意味のある柔らかさを表現するのにアップライトがふさわしいと感じた」とインタビューで述べている。
おお!!
これまで私はアップライトピアノは電子ピアノとどっこいどっこいの役立たずだと思っていたよ。
でもスペースやその他の事情でグランドピアノは置けないし(泣)
オラフソンさん、ありがとう!!
アップライトで弾いた「トロイメライ」を聞く
オラフソンのグランドピアノの「トロイメライ」を聞いてみると、音自体、ふつうにどこででも聞けるトロイメライに聞こえる。
ところが、アップライトで弾いた「トロイメライ」では、音の持続がグランドに比べて短く、まるでハープシコードとピアノのあいだに生まれた19世紀のフォルテピアノのように聞こえはしないか?
↓ アップライトで弾いた「トロイメライ」
アップライトピアノについての彼の思い入れは以下の記事に詳しい。
グランドピアノを逃してしまった固定観念
実は、私にもひょっとしてグランドピアノが手に入れられたかもしれない、という時があったのだ。
あれは3年前。
夫が家を建てることを決意し、その設計をはじめたころ。
そのころに、もし私が、
「どうしてもグランドピアノが欲しいから、そのための部屋を考慮にいれて」
と懇願していたら、ひょっとして実現していたかもしれないのだ。
~していたら~したかもしれない、という条件法ですよ。
本当はどうなったかわからない。
でもその時、私はまだグランドピアノというものは、学校か、ピアノの先生か演奏家、音大生か音大を目指す人しか持つ資格がないもの、という固定観念に囚われていたのだ。
今や、多くのアマチュアピアニストがグランドピアノで楽しく弾いているというのにね。
自分の頭の固さを嘆きつつ、それでも今のピアノには愛着があるので、これでいいのだ、と思いながら毎日弾いているよ、アップライトピアノ。