パリオリンピックが終わった
7月26日から始まっていたパリオリンピックも8月11日に閉会式を迎えた。
オリンピックが終わって淋しいかって? ううん、そうでもない。
だって私にとってオリンピックとは、1964年の東京オリンピックでもう終わっていたから。
小学校2年生だったあの頃、「体操の女王チャスラフスカ」「黒い弾丸100mのヘイズ」「水の王者、ショランダー」「ハダシのマラソンランナー、アジス・アベバ」に感動して以来、オリンピックの楽しさ・面白さはもう汲みつくしたような気がしている。
そこでスポーツの祭典としてのオリンピックはさておき、ショーとしてのオリンピックで、今回ちょっと可哀そうな使われ方をされた「ピアノ」について思い出してみたいと思う。
開会式で水攻めにあったピアノ
まず開会式でクラシックピアニストのアレクサンドル・カンタロフが弾いたピアノ。
テレビ画面からはあまりわからなかったのだが、ピアノの上に水の輪ができていることから、「え?このピアノ、大丈夫なん?」と気になった。
おりしも曲目はラヴェルの「水の戯れ」。
なんか状況にぴったりの曲だけれども、ピアノにいいはずがない。
なんとか修復できたことを祈るばかりである。
開会式で火責めにあったピアノ
私はこの映像を最初に見たとき、まさか本当にピアノに火がつけられていると思わなかった。
ほら、燃えているようにみえる暖炉があるでしょ?
あれと同じで、炎に似せたなにかを映像として写しているだけだと思ったのだ。
みんな知ってた?
私がよっぽどおバカなのか。
いちおう、「あ、すごいやん」と思って写真もとったんだけれど。
ねぇ、これ本当に燃えているの?
ピアニストは火傷しなかったの?
今もってちょっと信じられない。
閉会式で宙づりになったピアノ
調べてみると、この宙づりピアノを弾いていたピアニストはスイス人のアラン・ロッシュ(Alain Roche)で、2013年からこのパフォーマンスをやっているらしい。
だからわざわざオリンピックのために考案されたパフォーマンスではないことになる。
私は最初、オリンピック閉会式でピアノを弾く、という光栄に浴したピアニストでも、高所恐怖症ならやむなく辞退せざるを得なくなって可哀そうだなぁ、と思っていたのだけれど。
パフォーマンスよりテノール歌手に心奪われる
ところで私が今回感動したのは、このピアノにあわせて「アポロ賛歌」を歌った39歳のフランス人テノール歌手、ベンジャミン・ベルネイム(Benjamin Bernheim)。
声はいいし、容姿も清潔感があるうえ品があるではないか。
このかたの動画でテノールの歌い方を紹介したのを見つけたので、フランス語学習者のかたには面白いのではないかと思う。
高価なピアノをお粗末に扱うところから、「フランスはピアノに厳しい国」というコメントをネットで読んだので、これについて考えてみた。
きっと水攻め、火責めにあったピアノはヤマハとかカワイとかスタンウェイで、フランス製のピアノではなかったのではないか?
フランス製のピアノと言えばかつて、プレイエル・エラールなどがあったが、衰退して現在ではほとんど生産されていないと思う。
ショパンが愛したプレイエルも2013年にピアノ生産から撤退方針を決めたと聞く。
そんなこんなで、
「どうせ、日本製やアメリカ製や。
水かけるなり燃やすなり、こっちの好きなようにさせてもらいまっさ!」
と思ったのではないか・・・
と、いつものとおり根拠のない妄想なので気にしないでほしい。