ポール・マッカートニーのピアノレッスン
きょうは本当に嬉しくなる動画に出会えた。
タイトルは「Paul McCartney's Piano Lesson」である。
ビートルズやポール・マッカートニーのファンでなくても、少しでも音楽に興味があるかたなら、ぜひ見ていただきたい素晴らしい動画なのだ(日本語字幕もつけられます)。
冒頭、ポールは「I can't read or write music」と言っているが、文字通り「楽譜が読めない」というよりも、「楽譜を読んだり書いたりする必要がない」と理解すべきだ、と私は思っている。
だって彼ぐらいの音楽家になると、メロディーも和音も一度聞いただけでアタマにはいり、難なくそれらを再現できると思う。
そう言えばジャズピアニストの小曽根真さんも、子ども時代、お父さんといっしょにラジオから流れてくる音楽のコードをあてる遊びをやっていた、と弟の小曽根啓さんが言っていた。
ああ、音楽はやっぱり天賦の才がものをいうね!
とがっかりしても仕方がないが、この動画でポールは、「もし子供たちからピアノを習いたいといわれれば」として教えてくれる。
↓ ぜひみていただきたい!
ポール・マッカートニーが教えてくれるダイアトニックコード
映画「サウンド・オブ・ミュージック」で家庭教師のマリアが子どもたちに教えるのは、音楽のABCとしてド・レ・ミなのだが、ポール・マッカートニーが教えてくれるのはダイアトニックコード、すなわち C・Dm・Em・F・G・Am である。
- (0:23)彼はまず、ドミソの和音を鳴らす(コードはC)。
- つぎに鍵盤を1個ずらし、レファラの和音(コードはDm)で2つ目のコードができた!
- また鍵盤を右にもう1個ずらし、ミソシ(コードはEm)で3つ目のコード!
- また鍵盤を右にもう1個ずらし、ファラド(コードはF)で4つ目のコード!
- また鍵盤を右にもう1個ずらし、ソシレ(コードはG)で5つ目のコード!
- また鍵盤を右にもう1個ずらし、ラドミ(コードはAm)で6つ目のコード!
「もうこれ以上はいらないよ! you don't need more than that !」
「指のカタチはまったく変えないで、6つのコードが覚えられるんだ!」
ポールの即興ソング
「そしてこれらを並び替えれば歌ができる」というポール。
やはり左利きのせいなのか、3連符のリズムは右手で打ち、メロディーを左手で弾くのが面白い。
C Em Em F G C F C
ドー レ#レミー ソー ラー ファーソ ド ファ ド
を実演したあと、すぐさま歌詞もつけてくれる(1:43)。
But it's that same little shape
But that shape is a marvelous shape
You can do anything with that shape
同じ小さなカタチだけれども、このカタチはすばらしい。
このカタチでキミはなんでもできるんだ。
これには凄腕の音楽プロデューサーもハハハ、と笑っている。
バッハに後拍を強調したビートルズ
またポールはビートルズ時代、お気に入りの作曲家はバッハだった、とも言っている(3:34)。
「我々がやろうとしていたことにバッハが一番近かったんだ。
ただ我々は拍を後ろにもってきたんだけどね」
ここで後拍を強調しながらドラムを叩くジェスチャーをするポール。
「こっちのほうがいいでしょう?」
数字が好きと言うポール
またポールは数字が好きなのだとも言う。
ビートルズ時代の「エリノア・リグビー」を思わせる4拍を弾いた後、その倍の8分音符を同じ箇所に入れ、曲の雰囲気がガラっと変わることを実践してみせてくれる。
こういったことを誰かに習ったのではなく(ポールのお父さんはセミプロのミュージシャンだったがお父さんには習ってはいない、と言う)自分で実験、応用、改善できるところが凡人にはなかなか真似ができないところではないか?
では最後に「エリノア・リグビー」のリズムがどんなだったか、復習してみようっと!