今までどうしてリベラーチェを知らずにいられたのだろうか
いったいどうして今までこのピアニストのことを知らずにいられたのだろう?
偶然このトシになって初めて知ったピアニストとは、アメリカ人ピアニスト兼エンタティナーとしてその名を全米に知らしめたリベラーチェ(1919-1987)のことである。
強がりをいうわけではないが、私ばかりでなく日本では知っている人は少ないと思う。
その訳はたぶん彼のある性癖によるものと憶測するのだが、根拠のない私の妄想なので、もし字数に余りがあれば言及することにしよう。
リベラーチェのブギウギに度肝を抜かれた
まず、私が度肝を抜かれたのは彼の聴衆を前にしての演奏である。
これはいったいいつなんだろう?
多分、1960-1970年ぐらいのことだろうか?
ピアノ演奏を趣味とされるかたはぜひ下の動画をご覧いただきたい。
0:01 左手でブギウギのリズム。テンポはなんと♩=235
0:31 左手のリズムにあわせて右手でメロディーを演奏。
ご婦人方がうっとりしているのが面白い。
0:46 左手のリズムにウォーキングベースが加わってさらに複雑に。
1:03 右手メロディーに16分音符が加わる。
1:21 ブギウギブレークの登場。
3連オクターブで降りてきて次の小節2拍目で「Hey!」
2:00 ここからは聴衆参加編。
女性だけ、男性だけにグループ分けをして「Hey!」を言わせる。
3:32 圧巻の16分音符ブギウギ! テンポは♩=162
彼の特徴はこれらを全部、しゃべりながらやるのだ。
しゃべっている間も左手のブギウギリズムはまったく乱れることがない。
これってピアノを専門に勉強したひとならできるものなの?
ひょっとしたら英雄ポロネーズの中間部が弾けるひとならできるのかもしれないが、私には神技にしか思えない。
クラシック界から嫌われた超絶技巧ピアニスト
リベラーチェはラスベカスでのショーを中心に、テレビのバラエティ番組でも大活躍した。
そのステージ衣装は年代を追うごとに派手になり、孔雀のマント、金ぴかのスーツ、指には指輪だらけ(よくあれでピアノが弾けるものだ)と「悪趣味」を絵にかいたようなステージだったことから、クラシック音楽愛好家からは眉をひそめられる存在だったらしい。
しかし彼のピアノ演奏そのものはホンモノで、わずか7歳のときにあのパデレフスキから絶賛されたという。
その後、クラシックからポピュラーに転向したのは、大恐慌のあおりを受けた経済的事情があってのことらしい。
そしてその派手なパフォーマンスは、のちにでたエルヴィス・プレスリー、エルトン・ジョン、フレディ・マーキュリー、レディーガガに大きな影響を与えた、というのは映画でリベラーチェを演じたマイケル・ダグラスの弁である。
映画「恋するリベラーチェ」
ここまでいろいろ調べた結果、彼を題材にした映画「恋するリベラーチェ」というのがあることを知り、どうしても見たくなった。
リベラーチェがマイケル・ダグラス、その恋人役がマット・デイモンというからには、絶対みないといけない、と思い、私は熱心に配信先を調べた。
そしたらU-NEXTのお試し期間中に無料で観られるとのことだったので、観たんだよ!
これ!
それがね~
期待したピアニストとしてのリベラーチェの足跡はまったくなく、主題は男同志の愛と憎しみの追憶の日々!
かなりディープな作品だったので、いろいろ疲れてアタマはかなり混乱した。
というわけで続きは明日以降にさせてください・・・