ミシェル・ルグランを全曲踏破したい
私はミシェル・ルグランが大好きなので、彼の主要な曲は踏破したいと思っている。
自己流で昔から弾いているのは「シェルブールの雨傘~テーマ」と「おもいでの夏」。
「What are you doing the rest of your life」はこのあいだのレッスンでやったし、今レッスン曲としてやっているのは同じくシェルブールの雨傘から「Watch what happens」。
いや、これむずかしいわ~
私の師も認めているが、ミシェル・ルグランはコード進行が特異なのでむずかしい曲が多いのだ。
それをよぉく踏まえて、時節も夏の終わりだし(?)、まずは自己流のままである「おもいでの夏」をなんとかせねばならない。
それにはまず、これまで見たことがなかった映画から観なければならない、と私の思考はこうなるのだよ。
なぜだかわからないが。
映画「おもいでの夏」はどういう映画か
映画「おもいでの夏」は評価は高いがさすがに古いので、配信はどこもやっていない。
なのでYouTubeでわざわざ400円を払って観た。
この映画は脚本家のハーマン・ローチャーの回顧録が元になっていて、彼が15歳のときに出会った年上の美しい女性、ドロシーとのひと夏の経験が描かれている。
もし私が主人公と同世代の思春期の少年だったら、記念すべき忘れられない映画になるかもしれない。
けれど当たり前だがそうではないので、少年の心理がじつに丁寧に描かれているのにもかかわらず、感情移入ができず放映時間が長く感じた。
ところで映画では「僕たちは2度と会うことはなかった」で終わっているのだが、実際に映画がヒットした後、ハーマン・ローチャーは「私があのときのドロシーです!」という手紙を複数の女性から受け取ったらしい(英語版wikiによる)。
彼はホンモノのドロシーの筆跡を知っていたので、騙されることはなかったのだが、にせものドロシーを申告した女性たちの心理って何なんだろう?
私にはこっちのほうに興味がある。
ミシェル・ルグランのジャズ風「おもいでの夏」
ああ、しかしテーマ曲の「おもいでの夏」(The Summer Knows)は名曲だなぁ。
でも構成はA A' B A と単純だし、Aの部分でベースが半音ずつ下降していくところが
「What are you doing the rest of your life」と似ている気がする。
まず本家本元、ミシェル・ルグランのソロピアノから聴いて見よう。
さすがジャズピアニストだけあって、2コーラス目からはジャージーな雰囲気が漂ってくる。
アレクサンドル・タローのコンチェルト風「おもいでの夏」
お次はクラシックピアニストのアレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud)によるコンチェルト風「おもいでの夏」。
しっとりとしたピアノソロから始まり、サビの途中からオーケストラがはいるアレンジになっている。
そこからガーーン!と盛り上がるが、壮大さだけではなく、しみじみと胸が締め付けられるようなところもあり、うねるようなアルペジオがドラマチックだ。
あぁ、ジャズ風もコンチェルト風もいいなぁ。