夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

ラテンの味と音楽が楽しい映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」

2014年のアメリカ映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました

料理あり、音楽ありのヒューマンコメディ映画

これは楽しい映画だった! いつまでも心に残り、ことあるごとに思い出し感慨にふけるというタイプの映画ではないけれど、たぶんあと半年ぐらいしたら見たことも忘れていると思うけれど(だからブログに書いておく)。

料理がおいしそう、ラテン音楽がステキ、親子や友人との心の交流にホロリとさせられるとあっては、よい点をつけないわけがない。この楽しいコメディタッチの映画の監督・脚本・製作は主演のジョン・ファブローで一人四役ということになる。よほど多才なかたなんだね。

ざくっとしたあらすじを下に書いてみた。

ロサンゼルスの一流レストランのシェフ、カール(ジョン・ファブロー)は大物評論家に出すメニューでオーナーと対立、評論家から酷評されてしまう。怒りのあまり評論家をこきおろしたカールだがそれがネットで炎上。解雇され、どこの店からもお声がかからなくなったカールは元妻のすすめで、フードトラックを購入。元同僚とSNSに詳しい10歳の息子とキューバサンドウィッチを売りながらの旅がはじまった・・・

よくも悪くもSNSの時代

映画では冒頭からラテンのリズムにのって、シェフの巧みな包丁さばきに眼が奪われる。食材を刻むトントンという音(まさにプレスト!)、油のジューッッという音!

多くの注文をさばく厨房はまるで戦場のようだ。これだけのスタッフを抱え、手際よく仕事を進めるにはシェフという役柄は人望もなくてはなりたたないのだろう。これだけ真剣勝負でやっていれば、批評家の酷評にもキレたくなるのも当然だろう。ただ昨今はSNSの時代。一歩間違えれば、これまで築き上げた社会的地位をも失うことにもなりかねない、という現代性も映画に盛り込まれている。

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息子ちゃんが可愛い

この映画の重要な役柄である、10歳の息子、パーシーが可愛い!彼は両親が離婚したゆえ、いつも会うわけにいかない父親とどこかへ連れて行ってもらうのではなく、何かを一緒にすることを望んでいる。そしてキューバサンドイッチを売る旅のなかで、悪臭を放つフライヤーを洗うことも仕事のひとつ、そして焦げたサンドウィッチは客に出せないことを、父親から教えてもらうのだ。

私が特に気に入ったシーンは、父カールと同僚が卑猥な歌を歌いながら盛り上がってフードトラックを運転しているとき、「もう参ったな」という表情でパーシーが首を振るところである。

映画のテーマ曲、ラテンの「I like it like that」

この映画のメイン・テーマともいうべき音楽は、ピート・ロドリゲスというラテンのピアニストが1960-70年代に流行らせた「I like it like that」。下のライヴ動画では御年80歳を超えておられるようだが、すこぶるお元気そうである。

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この「I like it like that」、多分日本ではあまり知られていないと思うのだが、YouTube検索すると、チュートリアルが複数ヒットしたのでちょっとびっくりした。アメリカではこのラテンリズムを弾いてみたい、と思う人が多いのかもしれない。私もちょっと試してみたいと思うので、メインのリズムを下に貼ってみた。裏拍がちゃんと取れるだろうか?