「ブルース・ブラザース」を初めて観た感想
先日、NHKBSで放映されていた1980年のアメリカ映画「ブルース・ブラザース」を録画しておいたのだが、やっと観ることができた。
な・ん・と!!
私はこの映画がカルト映画として末永く語り継がれるべき映画とは、今まで知らなかったのである!
どうやら「ブルーズ・ブラザーズ」を知らないR&Bファンなんて、ビル・エヴァンスを知らないジャズファン、アルゲリッチを知らないクラシックファンみたいなものらしい。
良かった! R&Bファンと公言したことがないおかげで、恥をかかずに済んだ。
もし私と同じように、今までたまたま、ごらんになったことのないかただったら、ぜひ予告編だけでもごらんいただきたい。
「ブルース・ブラザーズ」予告編
この映画、ハチャメチャなカーチェイス場面もすごいが、出演者のほとんどが大御所ミュージシャンであることがすごい。
主演のふたり、ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイドはともかく、脇役としてジェームス・ブラウン、キャブ・キャロウェイ、そしてレイ・チャールズまで出演しているのである。
そして最初は気がつかなかったのだが、あのスピルバーグ監督がチョイ役の税務署職員として出演しているのが笑える。
アレサ・フランクリンが歌い踊る「Think」が圧巻
そして極めつけはアレサ・フランクリン。そう、私はこの人の歌が大好きなのだ。
映画「ブルース・ブラザーズ」では彼女はレストランの女主人に扮している。
黒いスーツとサングラスをかけた不思議な二人組の注文をとったところ、彼らは亭主のかつてのバンド仲間であることがわかり、亭主に持ちかけられたバンドの再結成案に大反対!
「あんた何いまさら、寝言ゆうてますねん!
あんたには私がいりまっしゃろ、私にはあんたがいりますわなぁ。
わかっとりますやろ、それくらい!
そやのにバンドやて、もうちとよう考えて物言いなはれ!」
とばかりに歌い踊る「Think」が素晴らしく、何度見ても見とれ、聞きほれる。
70代でもこんなに声がでていたアレサ・フランクリン
食堂のおばちゃん役がぴったりなアレサ・フランクリンだが、グラミ-賞を過去20回も受賞しているから、歌手として売れ出してからはゴージャスないでたちが似合う、押しも押されぬ大歌手、というのが本来の姿なのであろう。
オーラに包まれたような彼女が現れ、やおらピアノのまえに座り、「ナチュラル・ウーマン」を弾き語りする↓の動画も好き。
キャロル・キングの手放しの喜びようもミュージシャン同士の連帯感がしのばれて微笑ましいし、なによりオバマ元大統領が涙を払う場面も人間臭くて好きなのだ。
これは2015年の「ケネディーセンター名誉賞」受賞のときの映像とか。
ということはこの3年後に76歳で亡くなっているから、70代のときでもこんなに声が出ていたんだ。
まったくすごいもんだねぇ。