Kindle Unlimited のサマーセールに登録
まんまとアマゾンの戦略にのせられ、「今月末までの登録で2カ月間99円になります。」というKindle Unlimited のサマーセールに登録してしまった。
ところでKindle Unlimited を利用するのはこれが初めてではない。
じつは以前、「カラマゾフの兄弟」悲願の読破に取り組んだことがあるのだ。
そしてようやく「カラマゾフの兄弟1」を読み終えたところで、「2」以降は読み放題対象外ということを知り、騙されたという気分になった(今は全部読み放題なのかもしれないが)。
それで継続しなかったのだが、今回のキャンペーンは、本来は980円 × 2カ月で1,960円のところ99円で利用できる、というものだから、お得感イッパイに見事に誘われてしまった・・・
生まれ変わってもあなたに会いたい、「月の満ち欠け」
ところでKindle Unlimited 再開第一弾として「月の満ち欠け」を選んだのは、テーマが「生まれ変わっても恋人に会いたい、究極の恋愛もの」だからである。
ちなみこれが映画化されて大ヒットしたことも、直木賞受賞作だったことも、読み終わるまでまったく知らなかった。
私はこの「生まれ変わり」とか「輪廻転生」とか「タイムトラベル」ものが大好きなのだが、それほどいろいろなものを読んでいるわけではない。
しかし縁あって読んだ「月の満ち欠け」は次ページをクリックするのももどかしいぐらい、はらはらドキドキで面白く、3日間で読んでしまった。
これがオーディオブックなら9時間32分もかかるから、1週間もかかってしまうだろう。
やはり「読む」ほうが「聴く」より圧倒的に速いのだ。
「月の満ち欠け」で気に入った格言と和歌
私はまだKindle Unlimited の読み方に慣れておらず、気に入った箇所にアンダーラインを引いたり、それをあとで読み返したりする方法をマスターしていない。
だから下記の表現はノートにメモするしかなかった。
瑠璃も玻璃も照らせば光る
主人公の瑠璃が合言葉のようにして使う格言。
才能のあるものはどこにいても目立つ、という本来の意味から転じて、どこへいっても私はあなたのために光ってその存在を知らせる、ということかな?
自らは半人半馬降るものは珊瑚の雨と碧へき瑠璃の雨
与謝野晶子の歌だが、どういう意図で瑠璃が恋人の三角に教えたのかわからない。
単に瑠璃ということばがはいっているから?
吉井勇の歌。瑠璃の恋人、三角が先輩に教えられて瑠璃に詠み、瑠璃が大感激する。
黛ジュン「夕月」について
小説では、瑠璃に生まれ変わった小学生の女の子が、黛ジュンの「夕月」や皆川おさむの「黒ネコのタンゴ」という歌を歌ったりすることから、まわりが気味悪がる、ということになっている。
この2つの曲がヒットしたのは1968-1969年。
一方、瑠璃の年齢は、というと1980年代で27歳。
だから上の2つの曲は瑠璃にとって、中学生頃の懐かしのメロディーということになる。
が、私のきわめて個人的な感想としては、
「このひと、どういう趣味なんやろ?」
とちょっと疑ってしまう。
だって「夕月」はド演歌調、そして「黒ネコのタンゴ」は大人にも子どもにも受けたとはいえ、やはり子供っぽいのだ。
ああ、「夕月」はやはりタイトルの「月」にひっかけてしょうがない選択だったのか?
中年の男女のひとり酒にしか似合わないようで、瑠璃がことあるごとに鼻歌で歌っていた歌にするには、ダサいな~ おばさんくさいなぁ~
どうしても「月」にひっかけたかったのなら、「ムーンライト・セレナーデ」とか「ムーン・リバー」とか、あるいはドビュッシーの「月の光」をラララで歌うとか?
ものすごくどうでもいいことかもしれないが、私にとってはこれがこの小説で一番残念なことなのだよ・・・