今までジャズらしくなかったのか
よくクラシックからはじめたひとがジャズピアノをひくと、確かにテクニックはリッパだが、なんかジャズに聞こえへんなぁというのは結構、ある。
実はかくいう私もそのひとりなんじゃないかとおびえている。
このひとたちと違うのは、私のクラシックピアノのテクニックは欠点だらけなのだが。
しかし今のジャズピアノの師が褒め上手なおかげで、ちょっといい気になりすぎていたところがあるかもしれない。
というのは、先日のレッスンでは
「だいぶジャズらしくなってきた」と言われ、
「え、それやったら今までジャズらしくなかったってこと?」
ガーン!!!
ジャズらしくない弾き方とジャズらしい弾き方
今やっている曲のひとつに「On a clear day」がある。
師としては非常に珍しいのではないか、と思うのだが、私の弾き方のクセとして、8分音符がタラタラ続くのが多い、と具体例を挙げて言われた。
例えばテーマのAm7➡D7へ移るときは、ドーレドシラー、と弾いてしまう。
しかし師はドー レッシラー、のほうがジャズらしく聞こえるという(レにアクセントがつく)。
アドリブについてはもっと顕著で、私のアドリブは8分音符がツラツラ続いて、息がしにくいそうだ。
だからもっと休符をいれないかん、と。
ワンちゃんの「待て」が休符
休符がいかに大事か、ということを、師は「ワンちゃんの食べ方」を例に挙げて説明した。
やれやれ、チャーハンのパラパラやら、大きなキャンバスに絵を描くように、とかいろいろ言われたけど、今度はワンちゃんかいな~
「犬はな、餌を前にしても『待て!』と言われたら真剣な目つきで待ってるやろ。
それから『よし!』言われたら、がっついて食べるやん。
それといっしょや。
『待て!』言われている間にエネルギーが溜まってんねん。
それから『よし!』でエネルギーが爆発するねん。
そやからフレーズも休符で小出しにしてな、ここぞという時にはバーーー!!と弾いたらええねん。
そしたらジャズらしいに聞こえるわ」
私自身は犬を飼ったことはないが、以前姉の家の近くに住んでいた時、当時姉の家にいたラブラドールのブブ、通称ぶーちゃんを可愛がっていたことを思い出した。
可愛かったなぁ、そして賢くてホンマにええ子やった。
だからきょうの写真はぶーちゃんを思い出させる写真を探し回ったよ。
結局、海外のサイトからお借りした。
理想はレッド・ガーランドの休符とコロコロ音
しかし師に言われたことは、やっぱり腑に落ちた。
レッド・ガーランドの下の曲、「But not for me」を改めて聴いてそう思ったのである。
下の動画はトランスクリプション付きなのでよくわかると思うが、休符が実にいい味をだしている。
そしてコロコロと転がるようなピアノの音とよくあっている。
軽快にしてスィンギー。
あー、こんな風に弾きたいのだ。
まだまだ、修行の道は果てしなく続く。