6月のメインイベントは何だったか
きょうはフランス語個人レッスンの日。
月2回レッスンのうち、きょうが2回目だったので、いつものごとく「今月を振り返る」という雑談モードから始まった。
今月の私のイベントといったら、高校の同窓会とエリーゼ音楽祭ぐらいしかないが、ほぼ50年ぶりの級友たちの再会=同窓会という話題にムッシュー先生がすっかり心を打たれてしまったため、エリーゼ音楽祭にまで話が及ばなかった。
「50年! 50年!」
とムッシュー先生は繰り返す。
「その当時は子どもの数も多かったのですね。
だから同じ学年で約450人生徒がいたわけです」
「450人!」
とまた先生は叫ぶ。
だってそうだろう。
当時は1クラスに42-45人が収容されて、それが10組まであったわけだから。
「今回、集まったのは約90人でした」
私としては結構多かったと思うのだが、先生は
「そしたら5分の1しか集まらなかったわけか・・・」
と考え込んでいる。
フランスの学校では勉強以外何もない
それだけ感心するのだったら、先生にも同窓会とか、昔の学生生活についてノスタルジーを感じることもあるのか、と思いきやそうではなさそうだ。
先生は誰一人、かつての級友の名前を憶えていないそうだ。
そう聞いても私は別に驚かない。
たぶんうちの夫ちゃんもそうだからだ。
彼らは同じ世代か、もしくはムッシュー先生のほうが少しだけ若いと思うが、フランスの学校には行事と呼べるものが一切ないので、学校の思い出(良きにつけ、悪しきにつけ)が薄いのではないか。
フランスの学校では入学式なし、卒業式なし、始業式なし、終業式なし。
文化祭なし、体育祭なし。
とにかくお勉強しかないらしい。
反して日本の学校では私の覚えている限り、入学式、新入生歓迎会、始業式、球技大会、合唱コンクール、文化祭、終業式、修学旅行、卒業式、謝恩会・・・
あれまぁ、日本人ってどうしてこんなにイベント好きなんだろう。
というかそれが普通だと思っていたけどね。
日本の学校って何をするところだろう?
フランスの先生と日本の先生だったら、日本の先生のほうが100倍仕事が多いだろうな、大変だろうな。
こういった行事もこなさないといけないうえに、部活の指導もあるから。
あ、そう言えばフランスには部活もないらしい。
そしたら日本の学校って何をするところだろう?
お勉強のために行くところというより、将来自分の属する日本社会ですいすい泳げるための社交術、世渡り術を学ぶところではないかと思えてくる。
そう言えば、学年始めのクラス分け発表ではドキドキしたなぁ。
新しいクラスで友だちができるかどうかはみんなの一大関心事だったと思う。
そして不思議に速攻で2-4人単位の仲良しグループができるわけだ(もちろん男女別)。
これはもう、将来の職場や近所づきあいの縮図といってよい。
もし今から中高生に戻れたら
もしも私がフランスの学校のように、勉強以外は何にもない学校に通っていたら・・・
たぶん人間関係のストレスはもっと少なかっただろう。
もっと勉強に集中できただろう。
部活もないから習い事のピアノも続けていただろう➡今ごろはもっとピアノがうまくなっていただろう(?)
反面、今もつきあっている友人はゼロどころか、彼らの名前すら思い出せないかもしれない。
学生時代の失敗談を一緒に笑える友だちがいないというのも、ちょっと淋しいかもしれない。
本当にどっちがいいんだろうね。
なぁんてどうして考えてもしようがないことを考えているんだろう?
今さら中高生に戻れるわけがないのに。