「ヤクザときどきピアノ」が面白かった
今年の初め、ピアノにそれまで触れたこともない52歳の男性が猛練習を重ねて、アバの「ダンシング・クィーン」が弾けるようになったという本、「ヤクザときどきピアノ」を読んで、大変に面白かったので記事にした。
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著者にしたくなる大きなお世話
そのとき、記事には書かなかったのだが、「もうちょっとソロピアノとして弾きやすい曲にしはったらよかったのに」と思った。しかし、著者の鈴木さんにしたら、「ダンシング・クィーン」という曲がどうしても弾きたかったからピアノを始めたのだろう。だから大きなお世話である。
そしてもうひとつ、著者の先生はまことに素晴らしい先生で、この先生あってこそ、著者も成し遂げられた演奏だったと思う。しかし、ここでこんなことを言うのもなんだが、「ダンシング・クィーン」を弾くのだったら最初からポピュラーかジャズを専門とする先生にコードから習ったら、今ごろ著者のレパートリーは10曲は軽く超えるだろう。それにオリジナルキーのAで弾くのはシャープ3個で大変だから、Cで弾いたらもっと簡単なのに・・・どうもおばちゃんは一言も二言も多い。
アバの人気がすさまじかったころ、私は・・・
Wikiによれば、アバの活動期間は1974-1982年とある。ちょうど私が大学生から社会人にかけてであり、その人気のすさまじさはよく覚えている。で、私自身アバのファンだったかというと、そのころちょうどジャズにのめりこんでいた時期だったので、アバはフツー過ぎ、一般的過ぎで、「なんでそんなに人気があるんやろ?」とさえ思っていた。
自分がそれほど好きではなくても、そのころ飯のタネにしていたラウンジのピアノ弾きとして、流行っている曲は押さえておくべきものだったが、アバのようなディスコっぽい曲はソロピアノでは弾きにくい。そういう曲は右手でメロディー、左手でリズムを刻むべきものだと当時習っていた先生から教わった。しかししょっちゅう左手がバタバタ動くのもなんかダサい、というのが今の先生の意見である。それもそうだ、と今は思う。結局弾きにくいので、それよりはスローで「イエスタディ」とか「ムーンリヴァー」を弾いたほうがましに聞こえるため、ついついそちらのほうへ流れてしまう。
ポップスでも挑戦したくなった
しかし、「ヤクザときどきピアノ」を読んで久しぶりにポップスで、今まであえてやらなかったことをやってみたくなった。もしこれがうまくいけば、「スティング」のテーマのような左手が大きく跳躍するラグタイムもできるようになるかもしれない。20代のころは、当然動画なんてなかったので、先生が弾くのをボーッと見ているだけだった。でも今は、YouTubeであたかもピアニストの左側に張り付くようにして、左手の動きを習うこともできるのだ。
そして1月24日から毎日10-15分ずつ、あーでもない、こーでもない、と試行錯誤した結果が下の動画である。「なんかイマイチやなぁ~ これで踊れるんかな~」とタメ息がでる。しゃーないなぁ、この曲の歌詞ではアバは「Only seventeen」と歌っているけど、わたしゃ「Almost seventy」やもんなぁ。