夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

音楽だけ気に入った映画「恋するベーカリー」

2009年のアメリカ映画「恋するベーカリー」(It's complicated)

おいしそうなパンが出てくることを期待した映画

NHK BSでやっていた「恋するベーカリー」を録画したのは、主演がメリル・ストリープだからである。

しかし観る前にあらすじを読んだところ、「あー、これはちょっと私向きではないなぁ」と直感した。

なぜかというと、子育ても終わり、ベーカリーというビジネスでは大成功している女性(メリル・ストリープ)が、別れた夫とよりを戻すか戻さないか、というお話なのだ。

しかし「ベーカリー」がタイトルにあるからには、おいしそうなパンが出てくるのだろうと思い、観ることにした。

ところがこれもおおいにあてがはずれた。

パンが出てくる場面は2時間の放映時間のうち5分ぐらいだろう。

これってもう、「邦訳詐欺」ではないだろうか。

私の趣味ではないが評判はいいらしい映画

思うにこの映画は、ターゲットありきから製作がはじまったのではないか、と推測する。

つまり世の中には恋愛のチャンスから遠ざかった中高年女性が溢れているが、そういう女性でもモテモテの機会がありますよ、と謳いあげれば、彼女たちから絶大な支持を得るのではないのか、なあんて。

そしていとも簡単に元夫と、対抗馬として新しく知り合った男性を配置させ、女ざかりの美しいメリル・ストリープは2人のあいだで心乱れ・・・

なんか、薄いな。

軽くてもいいが、動機の裏付けとか心のひだとかが全然描かれていなくて、ハリウッド的なうさん臭さが鼻につくのだ、私には。

でも私の趣味はマイナーだからね。

その証拠にこの映画はけっこう評価がいいみたいなのだ。

だから楽しめるひとには楽しめる映画なのだと思う。

映画のなかの1曲が私の気を惹いた

ところがこの映画のなかの1曲がみょうに私の気を惹いた。

映画中、唯一のパンをつくるシーンで流される曲、「Mal ô Mains」である。

リフレインの「J'ai mal aux mains」➡手が痛い、がパンを作る手の動きとあわさって面白いな、と思ったのだ。

歌が始まるのは↓の動画の0:29から。

www.youtube.com

この歌を歌っているのはサンセヴェリーノ(Sanseverino)。
オランピアにも出ているからフランスではスターなのだろう。

また来日公演も2009年に果たしているから、知る人ぞ知る存在なのかもしれない。

サンセヴェリーノ SANSEVERINO

そしてYouTubeにアップされている「Mal ô Mains」に使われているイラストがとても可愛い。

こういうのを眺めていると1日中幸せな気分になれそうだ。

www.youtube.com

若者のフランス語まで手がまわらない

厄介なのは、歌われている歌詞がいまいち私の腑に落ちないこと。

例えば冒頭に、

Pour se rendre utile et passer à l'action
Il suffit juste simplement de s'agiter
Faire les gens qui jouent en évitant les coups
Qu'on se donne à soi en gesticulant sans arrêt

というのがあるが、私は夫ちゃんに説明してもらっても、いまいち意味がよくわからななかった。

しかしきょう、彼は私をアホ扱いしなかった。

それは「このフランス語はボンリュー(郊外)か地方のフランス語、または若者語だから正確ではない」かららしい。

日本の若者語でもわからないのに、フランスの若者語にまでつきあっていられない。

なので私もフランス語なら100%理解しなければならない、と思い込むのはやめて、素直にそのリズムだけを楽しむことにしたよ。