夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

バッハシンフォニア4番は悲し気に、でも切ったりつないだり

バッハのシンフォニア4番はけっこう練習した

バッハのシンフォニア4番は、記録をみると、2月25日から練習を始めている。最初は「なんと陰欝な曲だろう!」と思い、あまり練習に乗り気ではなかった。ところがやっているうちに、だんだん面白くなってきた。アンダンテだからそれほど速く弾けなくてもよいし、苦手なトリルが延々とあるわけでもないから、どちらかと言えば弾きやすい。私には悲し気、というより陰欝、陰険、陰惨なテーマが右手、左手でカタチをかえて浮上し、それはそれで弾いていて面白く、やめられない。なので日によっては一日にこれだけで1時間以上を費やした日もある。譜読みはだいたい通算練習時間10時間ぐらいで完了し、「これだったら先生も、へぇーと思うかも」と自信をもってレッスンにのぞんだのだが・・・

また「アーティキュレーションの解釈違い」をやってしまった

ところがまたやらかしてしまった。「アーティキュレーションの解釈違い」というやつだ。つまり、フレーズの切るところ、つなげるところが間違っていたのだ。

先生の説明によると、正しくは、というか、先生の生徒さんはみなさん下のように弾くように指導しているとのこと。

ところがなぜか私はどちらも逆で練習してきていて、タララタ ターと切るべきところをタラララーターとつなげ、タラララとつなげるべきところの左手をタ・タ・タ・タと切っていたのだ。あれ、私の感覚っておかしいのか?

こういう間違いは今がはじめてではない。前にやったシンフォニア3番のときもそうだったし、そのときはソフィア・ローレンのCMのせいにして以下の記事を書いたのだった。

kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com

今度の間違いはどこに原因があるのだろう。そう言えば、テーマをタラララーターとつなげ、おまけにラにアクセントを置いて強調すると、なんか演歌っぽく聞こえる。

思えば1980年代ぐらいまでは、歌謡曲(これも死語か?)の番組がテレビのゴールデンタイムに毎日放映されていた。だから演歌好きでなかった私も、北島三郎都はるみの歌などは、毎日毎日耳にしていたのだ。だから私のバッハも自然と演歌調になるのではないだろうか?

バッハは始める前に注意事項を確認すべき

こういう間違いを毎度繰り返さないためにはどうしたらいいのか? そうだ、曲にとりかかる前に先生に、切るところ、つなげるところなどの注意事項をあらかじめ聞いておけばいいのだ! 子どもならいざ知らず、アタマの固くなったシニアは一度弾き方のクセをついてしまうと矯正するのが大変である。せっかく間違った(?)アーティキュレーションで間違いなく弾けるようになったのに、それに費やした時間を返してくれ!と誰にも不満をぶつけることはできない。

ニ短調は『悲しい』

先日のレッスンで初めて先生の前でシンフォニア4番を弾いたのだが、弾く前に先生から、「この曲はニ短調ですね。ニ短調にはどんなイメージがありますか?」と聞かれた。

私は「暗いみじめ、お葬式みたい」と言ったが、先生にはそれには反応せず、『悲しい』ですね。昔から調にはそれぞれ性格があると言われていて、ニ短調は『悲しい』、です」とおっしゃって、良い例としてモーツァルトの幻想曲ニ短調の冒頭の部分を弾いてくださった。

おや、短調はすべて悲しいのではなかったのか?ニ短調が悲しければイ短調ホ短調は悲しくないのか?と思ったが、そこでツッコミはいれず、自分であとで調べることにした。

バッハはプロテスタントとは考えたことがなかった

先生は次に、「シンフォニア4番のこの左手は十字架を背負ったキリストがとぼとぼと歩くさまを表していると言われています。バッハは敬虔なプロテスタントでしたから、神への気持ちなしにバッハの音楽を語ることはできません」

なるほど。私は先生の、この音楽の背景を探ろうとする姿勢が大好きである。時間があればもっともっとお話を聞きたいと思うのだが、30分ではねぇ。

ところで私はバッハはルター派プロテスタントとは知らなかった。というか考えもしなかった。なんとなく教会=カトリックだとイメージで決め込んでいたのだ。私は高校時代は世界史が得意で、大学受験もそれで乗り切ったようなものだが、しょせん丸暗記の付け焼刃だったらしい。

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