ドビュッシーの「夢想」でのソフトペダルの使い方
発表会は9月とまだ先のことなのだが、それに向けてのレッスンはもう始まっている。
私の場合、まるっきり初めての曲だと出来上がりまで最低4カ月はかかるので、むしろとりかかりは遅いほうである。
がんばらなくっちゃ!
というわけで、先日は発表会で弾く予定のドビュッシーの「夢想」をレッスンしていただいて、先生にも模範演奏を18小節目ぐらいまで弾いていただいたのだが、その間先生はずっとソフトペダルに足を置いたままだった。
え、ソフトペダルって右足のダンパーペダルと同じく、踏んだり離したりするんじゃなかったっけ?
そこで先生に、
「あのぅ~~ ソフトペダルってずっと踏んでるんですか?」
と聞くと、
「だって私、ソフトペダル大好きなんですもん!」
はぁ、そんなもんですか(驚)
スタンウェイのソフトペダルはこんなに変わる
そこで真似をして、私も同じようにソフトペダルを踏んだまま弾いてみたが、先生のスタンウェイ(ニューヨークM型)ではソフトペダルを踏むと、ハドソン川に霧がかかったような音がする。
というのは誇張しすぎだが、ようするに音量は70%ぐらいになり、煙ったようなスモーキーな音になるのだ。
これで左手アルペジオを弾くと右手はかなり強めに弾かないと、主旋律が聞こえてこない。
ええ?? グランドピアノのソフトペダルってこんな効果があるのん??
ヤマハC3Xのソフトペダル
試しにレンタルスタジオのヤマハC3Xで、ソフトペダルを踏んだまま弾いてみたが、霧に包まれたような音とはいえない。
確かに柔らかい音色にはなるが、それでもスタンウェイのような変わり方ではない。
ちょこっとメイクをしたぐらいの変わり方である。
これに比べると、スタンウェイのソフトペダル弾きは整形手術をしたぐらいの変わりようである。
うわぁ~ これは大変だ。
私のピアノは趣味だからいいが、プロでふだんヤマハCX3で練習しているピアニストで、コンサート会場にいったらスタンウェイ(ニューヨークM型)だったとしたら、かなり慌てるだろう。
リハーサルの時点で青ざめるかもしれない。
ソフトペダルの使い方でアタマは混乱
いったいソフトペダルってどう使えばいいのだろうか?
考えてみれば、これについて特別にレッスンで説明を受けたことがない。
そこで以下の、森本麻衣さんによる動画を視聴した。
この動画で気になった点をかいつまんでいうと、
- 使っているかいないか位のニュアンスで、ソフトペダルに足を置いておく
- 下まで踏むことはあまりない
- 踏む深さに注意して、やみくもに使わない
であるかと思う。
とすると、私の先生がずっとソフトペダルに足を置いていたのは、それほど踏み込んでいなかったのかもしれない。
でも最初のレッスンでも、先生は「私はもうこういう曲は、ソフトペダルを使っちゃいます」と宣言していたから、ドビュッシーのような印象主義プラス象徴主義のような音楽では、オールソフトペダルでもOKなのかもしれない。
どうなんだろう? 私のアタマはちょっと混乱している。
私の先生と森本麻衣さんの主張は真逆なようだが、出身は同じ東京藝術大学ピアノ専攻なのだ(関係ない?)
まぁ、どちらにしても左足が自由に使えるように練習しておこうっと。