アニメ映画「この世界の片隅に」がフランスで大ヒット
次のフランス語レッスンのお題候補をネットで探していたとき、下の動画に出くわした。
私も感激したアニメ映画「この世界の片隅に」がフランスで大ヒットしている、というものである。
このアニメ映画をみたフランス人のコメントとしては、
- 戦争は絶対にしてはいけない
- すずの成長が感じられて、共感した
- 考えさせられる内容で、胸にさまざまな想いがめぐった
ごもっともな意見が紹介されている。
でも私はもうちょっと変化球の意見もほしかったので、フランス語の記事をいろいろあたってみた。
すると不思議なことに、私の感想とまったく同じ、つまりこの映画の魅力を、声優をつとめたのんさんと、主題歌にあてた記事をみつけたのだ。
上記の記事いわく、
C’est la comédienne Non qui prête sa voix à Suzu. Le réalisateur Sunao Katabuchi « n’imaginait personne d’autre qu’elle pour tenir le rôle » et il comptait sur sa voix douce et délicate pour insuffler de la vie au personnage.
すずの声は俳優の「のん」によるもの。片渕須直監督は「この役には彼女しか考えられなかった。彼女の優しく繊細な声は登場人物に命を吹き込んでくれると思った」と述べている。
La musique du film a été confiée à Kotringo. Sa voix légère et naturelle, associée à sa composition musicale, apporte beaucoup de douceur à l’univers de Suzu.
映画「この世界の片隅に」のあらすじと予告編
ここでまだこの作品をご覧になっていないかたに、あらすじをご紹介すると・・・
戦時下の日本。すずは夢想家で絵を描くことが得意な女の子。18歳で、望まれてではあるが、よく知らない周作と結婚し、広島県呉市に住む彼の家族と生活をともにする。
物資が不足する毎日だったが、持ち前の明るさと賢明さで日常を乗り切ろうとするすずに、空襲と原爆という現実が襲う・・・
下に貼った予告編ではコトリンゴによる「悲しくてやりきれない」が聴ける。
「悲しくてやりきれない」はザ・フォーク・クルセーダーズだ!
さてやっと本題。
確かにコトリンゴの歌とアレンジは絶妙だが、主題歌の「悲しくてやりきれない」はもともとザ・フォーク・クルセーダーズが1968年に発表した曲である。
作曲は後年自ら命を絶った加藤和彦、作詞は「ちいさい秋みつけた」の作詞で知られるサトウ・ハチローである。
ネットをみるかぎり、このことを誰も話題にしていなさそうなので、人気ブログには程遠いにもかかわらず、ここで声を大にしていいたいのだ。
特にサビのところの下の歌詞は忘れられない一節である。
悲しくて悲しくて とてもやりきれない
このやるせないモヤモヤを誰かに告げようか
それではザ・フォーク・クルセーダーズのオリジナルをお聞きください(でもやっぱりコトリンゴのほうがいいような気もする)